管理の大変だったお墓を、地上式納骨室のフラットなお墓へリフォーム。既存の石と新しい石を工夫して組み合わせた素敵なお墓
こんにちは! 福岡県一円で、お墓のお仕事をさせていただいています、平尾石材店の寺田公平です。福岡市の平尾霊園にて、草木が生えて管理の大変だったお墓を、地上式納骨室のフラットなお墓へリフォームしましたので、その様子をご紹介いたします!
リフォーム前後のお写真
ご相談の経緯と内容
平尾霊園にお墓をお持ちのお客様からのご相談です。お参りの際に当店に立ち寄ってくださいました。お墓の草木が多くなったりと年々管理が大変になってきたので、「管理のしやすいお墓にしたい」という内容でした。
ご一緒にお客様のお墓へうかがいました。確かにおっしゃるようにたくさんの草木が生えていますが、こまめにお参りをされているだけあってきれいにされていますね。ただ、時期によっては草取りもとても大変だそうです。
また、「管理がしやすいお墓」という点で、納骨室のこともおっしゃっていました。お客様のお墓の周りにも観音扉式の納骨室を持つお墓が増えてきていて、「うちもああいう風にしようかな」ということでした。従来のような地下式の納骨室に比べて、湿気などがたまりにくく、納骨もしやすくなりますので、長い目で見ると管理がしやすいといえます。
お墓本体です。建てられてから長い年月が経っているお墓ですが、いつもきれいにお参りされているのがうかがえます。
こちらはお墓の階段横の花壇部分です。印の箇所は、ずれて隙間ができてしまっています。お客様とご一緒にお墓を確認して、その後お墓の細部を確認している中で気付いて、写真に撮ってご報告しました。
反対の左側の花壇部分もこのように隙間ができています。左右で同じような箇所がずれているので、構造的にずれやすいところだったのかもしれませんし、接着がうまくできていなかった可能性もあります。
お墓の後方です。お客様がご自分で切ったと思われる大きな木があります。周りにもたくさんの木があったり、確かにこれらを管理するのはなかなか大変かなという印象です。
もともとおっしゃっていた、草木の管理や納骨室の作り替えを念頭に、後に追加でご報告したお墓のズレなども考慮して全体的にリフォームをすることになりました。リフォーム方法のひとつの選択肢として、入り口を逆にする方法もご提案すると、その方法を採用していただけました。入り口を逆にすることで段差が小さくフラットにお墓に入ることができるようになり、お参り部分も広く確保することができます。安全で快適になるため、最近平尾霊園では、こうしたリフォームをされる例が増えています。
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工事の様子
工事が始まっています。まずは、工事前にご遺骨を取り出して、その後お墓の取り外しを行いました。写真は、お墓の壁石部分の基礎工事の様子です。手前が元々入り口だったところで、今回はこちらがお墓後方になります。平尾霊園特有の2段に基礎を打つ形での工事です。
砕石を敷き詰めて配金し、コンクリートを流し込む準備をしています。石垣の部分に強い土圧がかかるので、強い基礎になるように2重の配金です。
今回は以前は階段だった部分を壁にするため、新しい石材を追加しました。元々あった石と違和感のないように、表面を同じようにコブ出しの自然風に仕上げ、それらを組み合わせながらお墓の土台となる壁石部分が完成しました。すべてを新しい石で作る方法ももちろんありますが、せっかくしっかりした良い石を使われていたので、再利用されることをおすすめしました。費用面も抑えることができますし、これまで大切にされてきたお墓の石を残すことができます。
完成です!
お墓手前の基礎も打ち、耐震施工を行ってお墓が完成しました!
全体的に、元々のお墓の石と新しく追加した石とを組み合わせて仕上げました。
お客様のご希望だった、地上式の納骨室を備えたお墓です。棹石とその下の台石、お花立ては元々のお墓のものをクリーニング等して使用しました。
棹石は御影石ではなく、磨かれていないものでしたので、きれいにクリーニングをして仕上げました。台石は加工して奥行きなどを調整しました。お花立てはステンレス製の花筒を入れて、お水の交換も楽にできるようになります。
お墓の後方です。元々入り口で階段だったところです。お墓本体も以前の通りに納骨室の上に据えました。納骨室の左右と後方の三箇所に、ご遺骨を湿気などから守るための通気口を設けています。
このように、十分な強度の基礎の上に壁石を設置し、しっかりとお墓を支えています。階段だった部分には新しい石を組み合わせて、石組みの上にある石は元々お墓の後方に使われていたものをクリーニングして使用しています。今回はお客様のご希望で元々のお墓の石をなるべく残すため、ひとつひとつの石をきっちり採寸して、どうやったら有効に石を使えるか、頭をひねって工夫を凝らしたところです^^
お墓の入り口はこのようにフラット入れるようになり、お参り部分も十分な広さがあります。お墓手前には、安全を考えて滑り止めを設けました。また、お客様が「またお花を植えたりするかも・・・」とおっしゃっていましたので、囲いの内部は砂利を入れて仕上げています。通常は草が生えにくいようにコンクリートを全面に打つのですが、お墓の手前の一部はお花などを植えていただけるような構造にしました。
お墓作りを終えて・・・
お客様は、元々のお墓の石と新しい石を組み合わせて作るということで、どうしても違和感が大きくなってしまうのでは・・・と思われていたそうですが、想像以上に自然で、素敵な仕上がりになっているととても喜んでいただけました! 確かに、まるで新しいお墓のようですね^^ 元々の石の精度がよかったこともあると思いますが、頭をひねって工夫して完成したお墓を、とても喜んでいただけてよかったです。
今回は、既存のお墓の石と新しい石とをうまく組み合わせて、いかに違和感なくきれいに仕上げるか、ということが重要でした。自分でも、難しい設計を工夫で解決して工事を無事に終えることができて、いい仕事ができたなあと感じています^^ 既存のものを活かす方法は、費用面を抑えられるということももちろんですが、ご先祖様から受け継いで長く大切にしてこられたお墓の一部を後世に残すという意味でも、とても大切で、素晴らしいことだと思います。お墓を大切に思われるお客様のお気持ちを大切に、今後も様々なお手伝いをしていきたいと思います。
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