山口県産徳山みかげを使用したお墓への追加彫刻、石塔・法名塔・家紋の文字の色入れ直しが完了いたしました。福岡市営平尾霊園にて
こんにちは^^ 福岡県一円で、お墓のお仕事をさせていただいています、平尾石材店の寺田公平です!福岡市営平尾霊園にて、山口県産徳山みかげを使用したお墓への追加彫刻、石塔・法名塔・家紋の文字の色入れ直しが完了いたしました。その際の様子をご紹介します♪
施工前後のお写真
ご相談いただいた経緯とご要望
ずいぶん前にご納骨をされた仏様がいらっしゃいましたが、戒名彫刻ができていないことを気にされていました。お客様のお墓がある福岡市営平尾霊園の門前に当店がございますので、お参りの度に見かけて知ってくださっていたそうで、今回、追加彫刻を決断され、ご連絡くださいました。
追加彫刻の他に、「文字の色が消えてしまっているのが気になります」とのことでしたので、お墓の区画番号を伺い、現地確認に行って参りました!
伺ったところ、とても大きく、立派なお墓です。階段を上がると左手にお墓があります。(お写真では丸い植栽に隠れてしまっていますが、そちらの奥にお墓があります)
お客様のお墓の石塔は山口県産の徳山みかげ石が使用されています。お客様は浄土真宗のため、石塔正面には「無量寿」と彫刻されています。
石塔の側面にはお墓の建立年月日とお施主様のお名前が彫刻されていますが、こちらも色がほとんど落ちてしまってます。お客様のお墓は60年ほど前に建てられたもので、当時の彫刻は現在と違い、手掘りで行われていました。彫刻の線も細く、色が落ちているため全くと言って良いほど見えない状態です。
石塔の背面です。石塔の正面に「無量寿」と彫刻されていますので、背面にはお家の名前が彫刻されています。しかしこちらも、色が落ちてしまい、見えなくなっていました。
花立てです。ノミで叩いて作られていて、当時の職人さんが心を込めて作られているのが分かる、とても素晴らしい仕上がりです。ただ、正面の家紋の色が落ちてしまっていました。
こちらは法名塔です。10名のお名前が彫刻されている状態ですが、こちらも色が全て落ちてしまい、見えません。
お墓の階段の左側にある表札にも黒御影石に家名が手掘りで彫刻されています。こちらも色が落ちかかっている状態でした。
お客様へ、お墓の確認をさせていただいたこと、そしてお墓の現状(建立から時間が経っているため、若干のズレ等ありました)をお伝えし、色の入れ直しと追加彫刻のご依頼を正式にいただき、作業をいたしました。
お墓への追加彫刻、文字色入れ直しが完了しました
石塔の正面部分です。落ちかかっていた金箔を全て落とし、新しく入れ直しています。文字彫刻の太さや大きさは変わっていないのですが、新しく金箔が入るだけで、とても綺麗で、華やかになります。
側面の彫刻もこのように綺麗になりました。
職人さんの手掘りでの彫刻なため、とても細く浅い仕上がりです。それぞれの文字がきちんと綺麗に見えるよう、細心の注意を払いました。
石塔背面の家名部分です。同じく手掘りで線は細いですが、金箔を入れ直したことで遠くからでも見えるようになりました。
花立ては固定されていて動かせませんでしたので、植栽等にも注意し、金箔を入れ直しました。
法名塔です。文字数も多く、小さな文字も多いため、金箔を入れ直すとすぐに落ちてしまう可能性があります。すぐにまた入れ直しとなると、費用的にもお客様のご負担になりますので、黒色で入れ直すことをご提案し、採用されました。
入口の黒御影石の表札部分はこのように綺麗に金箔が入りました。
工事を終えて・・・
お客様のご都合で、現地で立ち会っての確認が難しかったため、施工前後のわかるお写真を郵送してご確認をいただきました。お客様には「お墓の確認をしてもらったことで、他にも気になる点もありますので、相談させていただくと思います」とお言葉をいただきました。
今回のお仕事をさせていただいて、お客様が大切にお墓を守られてきたこと、そして60年程前の職人さんたちの素晴らしい手作業での加工技術を再確認したことはもちろんですが、当時の彫刻技術をしっかりと把握し、「現在の技術でどうすれば一番綺麗に見えるか」をよくよく考えて作業をさせていただきました。
もちろん「全て新しくする」というのが、一番綺麗になる方法なのだとは思いますが、お墓は今までご先祖様が大切に守られてきたものであり、ご家族の絆を繋いできたものです。いかに次世代に伝えていけるか、ということを大切に、残せる状態であるものは残していけたらと、当店では考えています。(その方が費用の面でもお客様にお喜びいただけることが多いです^^)
お墓が建てられた当時の施工・加工技術に合わせ、臨機応変、対応をしていけますよう、今後も頑張りたいと思います!