平尾霊園にて、ズレて倒れそうになっていたお墓の壁石、囲い石の外れ修理が完了しました。2年程前に法名塔の作成をさせていただいたお客様

こんにちは! 福岡県一円で、お墓のお仕事をさせていただいています、平尾石材店の寺田公平と申します^^ 平尾霊園にて、お墓の壁石、囲い石の外れ修理が完了いたしました。その際の様子をご紹介いたします!

 

当店にて2年程前に法名塔の作成をさせていただいたお客様より、再度ご依頼をいただきました。お電話にてお話を伺うと、「平尾霊園から連絡があり、”お墓が倒れそうですよ!”と言われました。平尾石材さんで確認していただくことは可能でしょうか?」ということでした。

「お墓が倒れそう」という驚きの内容で、お客様も大変驚かれていましたので、すぐに当店にて確認に行って参りました!

早速確認したところ、このような状態になっていました。(こちらはお墓の背面のお写真です)

 

横から見てみると、このようになっています。かなりのズレが生じています。お客様にお伺いしたところ、お電話いただくちょっと前まではこのようにズレ等なく、普通にお参り出来ていたのだそうです。「近隣のお墓の工事があった時に、ぶつかったのだろうか?」と、色々とチェックしてみましたが、何かがぶつかった跡もありませんでした。 今すぐにでも、この重たい囲い石がズサッと下に落ちてしまうのではないかと、確認しながらハラハラしました;

 

ご連絡いただいた時が、ちょうどお盆前で、有難くも多くのご依頼を抱えている状態でしたので、すぐに工事に取り掛かることはできませんでした。 お客様にそのことをお伝えし、工事が始められる時までにこれ以上の被害が出ないよう、荷物を留める時などに使用する大きなベルトと木枠を使い、応急処置をしました。

 

逆側から見たお写真です。この角度の方が、囲い石が壁よりもはみ出ているのが分かりやすいですね。囲い石や壁石(貼り石)がオレンジ色の矢印の方向にズレてしまっています。万が一のことを考え、足元にコーンも置いて、二次被害が出ないように注意します。

お客様にお電話にてお墓の状態や、これ以上のズレを防ぐために応急処置をしていることをお伝えし、どのように改善するか等、打ち合わせやご提案をさせていただきました。その後、いよいよ修理の工事にとりかかりました。

囲い石を修理するにあたり、工事をしやすいよう、まずは内側に入っている玉砂利を出しました。これから機械を使用して囲い石を吊ります。

 

当店はお墓自体の制作に携わっていませんので、どのような構造になっているのか、この状態まで取り外してみてよく分かりました。 今回のようなズレが起きてしまった一番の原因は、お墓の設計・構造にあると思いました。ズレてしまった囲い石が乗るためのスペースが、設計的に少なすぎるのです。コストを抑えるためだと思いますが、通常ある程度の厚みの石でつくる一番外側の壁石部分を、15ミリほどの厚みの化粧石(ブロックの周りにある薄い石)でつくってしまっているため、強度に問題があり、囲い石の重みに耐えられずにズレてしまったのだと思います。

 

お墓の修理が完成しました! 強度がなかった15ミリだった外側の壁石を取り外し、45ミリの厚みのあるものに貼りかえました。専用の接着剤だけでなく、隙間には全てセメントを流し込み、ブロック部分と壁石の隙間を無くし、しっかりと固めました。

 

今までは15ミリの薄い化粧石で、さらには1つ1つが小さかったですが、新しい石は45ミリの厚さになっただけでなく、見てお分かりの通り、3枚で背面を覆うことができています。面積が大きなため、接着剤やセメントにて十分の強度を出すことができますし、今まではみ出てしまっていた重たい囲い石がきちんと乗り、背面がフラットになっていますね^^

 

工事のために一旦出した玉砂利を綺麗に敷き直しました。

 

お墓の修理が完成しました!

修理の終わったお墓をご覧になったお客様には「霊園から電話をもらったときは、お墓が倒れてしまったらどうしよう!?と、とても心配でしたが、早急に対応してもらえたので助かりました。お忙しい時期だったにも関わらず、親切に対応してくださって嬉しかったです。ありがとうございました!」というお声をいただきました。 お客様には、法名塔の制作でご縁をいただき、その後こうやってまたご縁をいただくことができて、本当に嬉しく思います。こちらこそ、ありがとうございました! また何か、お参りをされる際にお気づきの点やお困りの点がございましたら、いつでもお声掛けください^^

当店が建立に携わっていないお墓の修理(なおかつ建った後には見えなくなるお墓の土台部分までも見える施工)だったことで、石材店によってお墓の設計や構造が様々なんだなぁということを改めて感じ、また、「お墓は永い時間大切に受け継がれていくものである」ということも実感しました。建てた後に、お客様がお困りにならないよう、「丈夫なお墓づくりを今後もしっかりとご提案していこう!」と強く思いました。

今回、お墓の設計や構造が一番の問題ではありましたが、お墓を建てるために必要な道具(耐震用の金具であったり、接着剤であったり)だけでなく、お墓づくりのための技術も年々進歩しています。お墓を建てた当時は無かった技術で、お墓を今よりもずっと良い状態にできることがたくさんあると思います。

その道具や技術の進歩に加え、「良いお墓づくりをしたい」という気持ちを常に持ち、今後も皆様のお役に立てますよう、頑張ります!